AI開発会社の選び方発注前に確認したい項目と見積もりの見方【2026年】
「AI開発を外部に頼みたいが、会社が多すぎて何を基準に選べばよいか分からない」「見積もりが届いても、比べる軸がない」。AI開発は、できあがった製品を見て選ぶ買い物とは違い、頼んでみないと分からない部分が多いため、会社選びで迷いやすい分野です。
この記事では、総務省・経済産業省のAI事業者ガイドラインやデジタル庁の調達ガイドラインなど、公的な資料をもとに、発注前に確認したい項目と見積もりの見方を整理しました。
問い合わせで聞くことも整理しています。読み終えたら、候補の会社に何を聞けばよいかを決められます。
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目次
AI開発会社選びの結論:実績の数より、確認できる項目で比べる
AI開発会社を選ぶときは、知名度や事例の数だけで決めず、「どこまでを担当するか」「何を納品するか」「預けたデータをどう扱うか」「品質をどう確かめるか」「終わったあとに引き継げるか」の5点を、同じ質問で比べるのが基本です。確認できた範囲では、公的な資料に会社を格付けする基準は見当たりません。一方で、発注側が契約前に確かめておきたい項目は、公的な資料に整理されています。
| 比べる軸 | 確認すること | 参考にした資料 |
|---|---|---|
| 役割と担当範囲 | 相手がどの工程を担い、自社は何をするのか | AI事業者ガイドライン(第1.2版) |
| 納品物 | 何が成果物なのか。権利は誰のものか | デジタル庁の契約チェックシート |
| データの扱い | 預けたデータの利用目的、学習への利用、保存方法 | デジタル庁の契約チェックシート |
| 品質の確かめ方 | 精度をどう測り、どう約束するのか | デジタル庁の契約チェックシート |
| 引き継ぎ | 使うモデルの明示、乗り換えやすさ、問題が起きたときの対応 | デジタル庁の調達チェックシート |
※ 出典は各資料(2026年10月15日確認)。デジタル庁の資料は政府機関が生成AIを調達するときの手引きで、民間企業の発注を直接の対象にしたものではありません。民間の発注でも使える観点として、当メディアが読み替えて整理しました。
この記事の結論を先にまとめます。
- 依頼の型(既製サービスの利用、カスタマイズ、新規開発)によって、探す会社の種類が変わる
- 見積もりは金額より先に、含まれる範囲と別建ての費用を確認する
- 発注側にも役割がある。判断する人と窓口を決めてから頼む
会社を探す前に:依頼の型と役割を整理する
AI開発の依頼は大きく3つの型に分かれる
総務省と経済産業省のAI事業者ガイドライン(第1.2版)の別添では、AIの利用・開発に関する契約を3つの類型に分けています。もともと経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」は、開発を頼む契約と、開発されたAIを使う契約の2つのモデルを示していました。ただ、生成AIが広がってからは、この2つに収まらない取引が増えたと別添は説明しています。
| 類型 | 内容 | 会社選びで見る点 |
|---|---|---|
| 汎用的AIサービス 利用型 |
提供されている汎用的なAIサービスを、そのまま使う | 開発会社より、サービスの規約・料金・データの扱い |
| カスタマイズ型 | 特定の利用者向けにカスタマイズされたAIサービスを使う。汎用AIサービスに独自の機能を足したもの | 足された機能の範囲、元のAIサービスが変わったときの対応 |
| 新規開発型 | 開発者・提供者と組んで、独自のAIシステムを開発・利用する | 要件の詰め方、納品物、データの扱い、引き継ぎ |
※ 出典:AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添6の3類型を、当メディアが表にまとめました。右列は当メディアの整理です。
「AI開発会社を探す」というとき、実際に必要なのが新規開発なのか、既製サービスの設定で足りるのかによって、問い合わせる相手が変わります。支援の種類の全体像は、生成AI導入支援とはの記事で整理しています。
「AI開発会社」でも、担う役割は会社ごとに違う
同じガイドラインは、AIの事業活動を担う主体を「AI開発者」「AI提供者」「AI利用者」の3つに分けています。AI開発者はAIモデルやシステムを作る側、AI提供者はそれをアプリや既存の業務システムに組み込んでサービスとして届ける側、AI利用者は事業でAIを使う側です。同じ事業者が複数の立場を兼ねることもあると書かれています。
注意したいのは、AIシステムの構築のすべてをAI開発者が担うと整理されているわけではない点です。ガイドラインの脚注では、一般的にはAI開発者がAPI仕様や入出力の設計、インフラ整備を担い、AI提供者がUI・UXの設計や既存の業務システムとの統合を担うとされています。見積もりを依頼するときは、相手がどこまでを自社で受け持つのかを先に聞いておくと、後から「そこは範囲外でした」となるのを防げます。
自社で決めておくことは3つ
IPAと経済産業省の「情報システム・モデル取引・契約書」第二版の解説では、システム開発のプロセスでは、ベンダだけでなくユーザ(発注側)もプロジェクトマネジメントを行う必要があるとされています。双方が各段階で自分の役割を踏まえることが大切だという趣旨です。AI開発でも同じで、次の3点は発注側で決めておきます。
- 何の業務を対象にするのか(目的と、今いちばん困っていること)
- 誰が使うのか(社内の担当者か、お客様か)
- 誰が判断し、誰が窓口になるのか(確認が止まらない体制)
- 業務に合わせたAIシステムを開発(入力・処理・連携・運用まで)
- 生成AIに選ばれる会社になるAIO対策
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発注前に確認したい:7つの項目
ここからは、デジタル庁の「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」(DS-920、2026年6月12日)にある調達チェックシートと契約チェックシートの観点を、民間の発注にも使える形で7つに整理します。契約チェックシートは、AI事業者ガイドラインや、経済産業省の「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」などを参考に作られたと、同ガイドラインの脚注に書かれています。
①担当範囲と体制を確認する
要件の整理、設計、開発、テスト、導入、運用のうち、どこまでを相手が受け持つのかを聞きます。あわせて、実際に手を動かす人と、窓口になる人が誰なのかも確認します。AI事業者ガイドラインでは、AI提供者に対して、システムの構成やデータの処理の流れを文書にして残すことを求める項目があります。構成図や接続図を見せてもらえるかは、判断材料になります。
②納品物の定義を確認する
契約チェックシートでは、納品物が何かを明確にすることが前提とされています。生成AIシステムでは、納品物がモデルそのものとは限りません。ユーザーインターフェース、システムプロンプト(AIへの指示文)、入力や出力のフィルター、外部連携の部品などが納品物になりえます。
社内文書を検索して答えるRAG(検索拡張生成)を作る場合は、データベースが納品物になるのが一般的だとされています。そのうえで、文書を読み取るプログラム、文章を分割するプログラム、ベクトル(文章を数値にしたもの)への変換プログラムなどを成果物に含めるのか、WebAPIとして使わせるのかを検討し、権利の帰属や使い方も契約に盛り込むことが望ましいと整理されています(DS-920 別紙4)。
③預けるデータの扱いを確認する
契約チェックシートは、事業者が預かったデータを自由に使える可能性があるため、契約で範囲と利用条件を定めておくことが望ましいとしています。確認したいのは、データを提供の目的以外に使わないこと、AIの学習に使うのか、どう保存するのか、権利は誰に帰属するのかです。調達チェックシートにも、入出力や処理されるデータを適切に管理していることという項目があります。
④品質の約束の形を確認する
契約チェックシートでは、期待する品質を契約に入れる形として、品質そのものを条件にする形と、品質を確保するための取り組みの履行を定める形があるとしています。生成AIのモデルに由来する性能や出力の品質は、学習データなどに左右され、結果として約束するのが難しい場合があります。その場合は、成果を約束するのではなく、性能改善や品質向上に向けた技術的な取り組みを行うことを定めるのが望ましいとされています。
AI事業者ガイドラインの別添も、AIの出力に残る不確かさは技術的に一定の対応はできるものの、すべては取り除きにくいという前提に立ち、責任の所在を可能で合理的な範囲で明確にすることを勧めています。「精度は〇%出ます」という言葉だけでなく、精度をどう測り、足りなかったときに何をするのかまで聞いておくと安心です。民法では、請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその結果に対して報酬を支払うことを約する契約とされています(632条)。準委任は、法律行為でない事務の委託で、委任の規定が準用されます(656条、643条)。請負の定義には仕事の完成が入っていますが、準委任の定義には出てきません。工程ごとに契約を分ける形もあるので、見積もりがどちらを前提にしているかを聞いてください。個別の契約がどちらにあたるかの判断は、弁護士など専門家に確認してください。
⑤小さく試せるかを確認する
IPAのAI白書(2020年)には、PoC(概念実証。本格開発の前に小さく試すこと)を行っている企業が、AIを使ううえでの課題に「AIの精度が低い、学習してみないと精度がわからない」を挙げた割合が44.0%という結果があります(回答企業は25社と少数で、2020年の調査です)。古く小規模な調査ですが、試してみないと分からない部分があることは、PoCを挟む理由の1つになります。
デジタル庁のガイドラインも、概念検証の段階か本番開発の段階かといったプロジェクトのフェーズによって、求める対策の度合いを変えるよう勧めています(DS-920 6.1.2)。いきなり全体を作る見積もりだけでなく、小さく試す段階を切り出せるかを確認しましょう。
⑥問題が起きたときの対応を確認する
契約チェックシートには、情報セキュリティの事故や生成AI特有のリスクが起きたときに、事業者が負う対応や協力の範囲を決めておく項目があります。期待した品質が保てなくなったとき、被害を小さくすること、原因を調べること、改善策を取ることを求める項目も別にあります。事故が起きてから決めるのでは遅いので、契約前に聞いておく項目です。
⑦引き継ぎと乗り換えのしやすさを確認する
調達チェックシートには、ベンダーロックインの回避という観点があります。利用しているAIモデルをバージョンを含めて示せること、ベンダーやシステムを移行しやすい設計であることなどが要求事項に挙がっています。ガイドラインは、特定のベンダーに依存すると不要なコストが増えるリスクにも触れています。
AIモデルは更新されることがあるため、モデルが変わったときの対応も確認事項です。調達チェックシートには、大きな更新や移行のときにリスクを減らしていることという項目があります。
見積もりの見方:金額より先に範囲と別建ての費用を見る
最初に見る3つの欄
見積書が届いたら、金額の前に次の3点を確認します。1つ目は含まれる範囲(要件定義、設計、テスト、導入、運用のどこまでか)、2つ目は別建ての費用(見積もりに入っていないもの)、3つ目は前提条件(データの状態、連携先の数など)です。前提が違うまま金額を並べても、比べたことにはなりません。
外部AIサービスの利用料は別建てのことがある
文章を作るAIを外部のサービスから使う場合、利用量に応じた料金がかかります。OpenAIのAPI料金ページでは、文章モデルの料金は100万トークン(AIが処理する文字の単位)あたりで示され、入力、キャッシュされた入力、出力が別々の単価になっています。通常より低い単価の枠や、検索などのツールを使ったときの別の課金も載っています。
この利用料を開発費に含めるのか、発注側が事業者に直接支払うのかは、見積もりの書き方しだいです。確認できた範囲では、どちらが一般的かを示す公的な資料はありません。見積書の「含まない費用」の欄は、忘れずに確認してください。
「一式」の見積もりは、分け方を聞く
項目が一式にまとまった見積もりは、何にいくらかかっているのか分かりません。工程ごと、機能ごとに分けてもらうと、他社と比べやすくなります。費用の内訳そのものの見方は、AI開発の費用の内訳で整理しています。
工程ごとの契約か、全体で1本かを確認する
IPAと経済産業省のモデル契約の解説は、システム開発で工程ごとに個別の契約を結ぶ「多段階契約」の形を前提に説明しています。要件定義と開発を別の契約にする場合は、見積もりも段階ごとになります。全体で1本の見積もりか、段階ごとかによって、途中で見直せるかどうかも変わります。
- 業務に合わせたAIシステムを開発(入力・処理・連携・運用まで)
- 生成AIに選ばれる会社になるAIO対策
- まずは無料ヒアリング(30分)から
比べるための質問リスト
3社を同じ条件で並べる項目
見積もりと回答が届いたら、次の9つの項目で会社ごとに分けて並べてみてください。空欄が多い会社は、確認が足りていないか、聞いても答えが返ってこなかった項目です。
- 依頼の型(新規開発・カスタマイズ・既製サービス)
- 担当する工程と、自社の担当
- 納品物の一覧と権利の帰属
- データの利用目的・学習への利用・保存
- 精度の測り方と、足りないときの対応
- 小さく試す段階の有無と費用
- 見積もりに含まない費用
- 使うAIモデルと、変わったときの対応
- 事故が起きたときの対応窓口
問い合わせで聞くこと
最初の問い合わせや商談では、次の点を聞いておくと、会社ごとの違いが見えやすくなります。答えが口頭だけの場合は、書面でもらえるかも聞いておくと、後で比べやすくなります。
- 今回の依頼は、新規開発・カスタマイズ・既製サービスの利用のどれに近いか
- 要件整理から運用までのうち、どの工程を担当するか
- 実際に作業する人と、窓口になる人は誰か
- システムの構成図(入力・処理・出力の流れ)を見せてもらえるか
- 納品物は何か(データベース、指示文、連携部分など)。権利は誰のものか
- 預けたデータは、開発以外の目的で使うか。AIの学習に使うか
- データはどこに、どれくらいの期間保存されるか
- 精度はどう測るか。基準に届かなかったときは何をするか
- 本格開発の前に、小さく試す段階を設けられるか。その費用は
- 見積もりに含まれない費用(外部AIの利用料、データ整備など)は何か
- 使うAIモデルとバージョンを示せるか。更新されたときはどう対応するか
- 情報漏えいなどの事故が起きたとき、誰がどう対応するか
- 運用に入ってからの月額と、対応範囲はどうなるか
- 契約を終えるとき、データと成果物を引き継げるか
会社ごとに質問の答えがそろわないときは、同じ質問リストで同じ条件を聞き直すと、違いが見えやすくなります。
選ぶときに:つまずきやすいパターンと対策
デモの出来だけで決める
見栄えのよいデモを見ると、そのまま自社の業務でも動くように感じます。ただ、デモは限られたデータで動かしているのが普通で、自社の文書や問い合わせで同じ精度が出るとは限りません。
対策は、自社のデータ(個人情報を除いた見本でも構いません)で試す段階を、本格開発の前に入れてもらうことです。
精度の数字だけで比べる
「精度90%」と「精度95%」のように、数字だけを並べても、測り方が違えば比べられません。どのデータで、どんな基準で測った数字なのかが分からないと、自社での結果を見通せません。
対策は、数字を出してもらうときに、測ったデータの種類と測り方を一緒に聞くことです。④で触れたとおり、数字そのものの約束より、測り方と足りないときの対応のほうが実務では効きます。
担当範囲の食い違いに、後から気づく
「データの整理は相手がやってくれると思っていた」「既存システムとの接続は別料金だった」という食い違いは、担当範囲を文書で確認していないと起こります。IPAの解説にあるとおり、ユーザにも果たすべき役割があります。
対策は、工程ごとに「相手が担当」「自社が担当」「共同」を書き分けた役割分担表を作ってもらい、見積もりと一緒に確認することです。
データの扱いを確認しないまま渡す
契約チェックシートが述べるとおり、事業者が預かったデータを自由に使える可能性があります。何も決めずに社内の文書や顧客情報を渡すと、学習への利用や保存の条件があいまいなままになります。
対策は、渡すデータの範囲を最小限にしたうえで、利用目的、学習への利用、保存期間、終了時の扱いを書面で確認することです。個人情報や機密情報を含む場合は、社内の情報管理の担当者にも先に相談してください。
作って終わりで、運用の話が出ない
AI事業者ガイドラインでは、AI提供者に、サービスの提供後も目的に合った使われ方をしているかを定期的に確かめることや、不具合や更新の情報を伝えることを求める項目があります。AIは作って終わりではなく、使いながら状態を見ていく前提で書かれています。
対策は、運用に入ってからの月額と対応範囲を、最初の見積もりの段階で聞いておくことです。運用の費用が見えないまま契約すると、稼働してから想定外の負担が出ます。
- 業務に合わせたAIシステムを開発(入力・処理・連携・運用まで)
- 生成AIに選ばれる会社になるAIO対策
- まずは無料ヒアリング(30分)から
自社だけで探すのが難しいときは
要件が固まっていない、社内に判断できる人がいない、といった段階では、会社を比べる前に、何をしたいかを一緒に整理してくれる窓口があると進めやすくなります。
Zero-Oneでも、AIの導入(AI開発)のご相談を、30分の無料ヒアリングから受けています。簡易プロダクトと概算のお見積りまでは無料です。無料でお出しする簡易プロダクトは、ご要望の画面や動きを確かめていただくための試作で、お客様の実データや社内システムとの接続は含みません。要件定義の費用は、開発のお見積りに含めてお示しします。まずは無料相談から、自社の条件に合うかを確かめてみてください。お問い合わせフォームでは「AI導入」にチェックをお願いします。
AI開発会社の選び方に関するよくある質問
- AI開発会社には何社くらい見積もりを依頼すればよいですか?
- 公的な資料に社数の目安は確認できませんでした。2〜3社に同じ条件で依頼すると、金額だけでなく、担当範囲や別建ての費用の違いが見えやすくなります。依頼書には、目的、対象の業務、使うデータの種類を書いておくと比べやすくなります。
- 導入実績や事例を見せてもらえないときは、どう判断すればよいですか?
- 守秘義務で社名を出せない事例もあるため、社名の有無だけでは判断できません。担当した範囲、期間、使った構成、成果の測り方を具体的に説明できるかを見ます。実績と、条件つきの試算を区別して載せているかも確認ポイントです。
- 大手と中小では、選ぶ基準は変わりますか?
- 確認できた範囲では、会社の規模別に基準を分けた公的な資料は見当たりません。この記事の5つの軸は、規模にかかわらず使えます。規模よりも、自社の依頼の型に合う経験があるか、担当と窓口が明確かを見るほうが比べやすくなります。
- 開発したAIやシステムの権利は、発注側のものになりますか?
- 契約で決める事項です。デジタル庁の契約チェックシートでは、成果物や出力の権利の帰属を定めることが望ましいとされています。著作権法では、著作物を創作した人(著作者)が著作権を持ちます(2条1項2号、17条1項)。開発会社の従業員が職務上作ったプログラムは、契約などに別段の定めがなければ会社が著作者になります(15条2項)。著作権は譲渡でき(61条1項)、譲渡を受けたい場合は契約で定める形になります。譲渡の契約で27条・28条の権利が特掲されていないと、これらは譲渡した側に留保されたものと推定されます(61条2項)。個別の契約内容の判断は、弁護士など専門家に確認してください。
- 生成AIの精度は、契約で約束してもらえますか?
- 約束の形は案件によって異なります。契約チェックシートには、性能そのものではなく、品質向上の取り組みの履行を定める形も挙げられています。請負と準委任の民法上の定義は、本文の④で触れたとおりです。見積もりがどちらを前提にしているかも聞いてください。精度の測り方と、基準に届かなかったときの対応を、契約前に確認しておきましょう。
まとめ:実績の数より、5つの確認項目を同じ質問で比べる
AI開発会社は、実績の数だけで決めず、担当範囲・納品物・データの扱い・品質の確かめ方・引き継ぎの5点を同じ質問で比べるのが基本です。公的な資料には会社を格付けする基準は見当たりませんが、発注前に確認したい項目は、AI事業者ガイドラインやデジタル庁の契約チェックシートなどに整理されています。
次の一歩として、まず自社が決めておくこと(目的、使う人、判断する人)を書き出し、質問リストを使って2〜3社に同じ条件で問い合わせてみましょう。見積もりが届いたら、金額より先に、含まれる範囲と別建ての費用を項目ごとに分けて並べると、違いが見えやすくなります。
- 業務に合わせたAIシステムを開発(入力・処理・連携・運用まで)
- 生成AIに選ばれる会社になるAIO対策
- まずは無料ヒアリング(30分)から
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」
- 総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)別添(付属資料)」
- デジタル庁「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(DS-920)」
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)・経済産業省「情報システム・モデル取引・契約書(第二版)の公表にあたって」
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「AI白書2020 第3章 図3-4-23 AIを利用する上での課題(導入段階別)」
- OpenAI「API Pricing」
- 株式会社Zero-One「AI開発の自社実装事例と費用の目安」
- e-Gov法令検索「民法」
- e-Gov法令検索「著作権法」
